SNS事業M&Aの進め方
SNS事業はアカウント名や所属者、広告主の情報管理が重要です。秘密保持を前提に、情報開示の順序を設計して進めます。

相談から決済・運用引継ぎまでの8段階
SNS事業は、会社や事業の契約と、媒体上の権限移行を分けて進めます。必要な承諾・確認が終わる前に、売買契約だけで全てのアカウントを移せるとは考えません。
初回相談・譲渡対象の整理
希望時期、雇用やブランドの条件、代表者の残留方針を確認します。株式譲渡か事業譲渡か、対象の顧客契約・コンテンツ・運営体制は何かを整理します。アカウント名は初期から一律に開示する必要はありません。
資料整理・価値評価
事業別の収益、顧客継続、媒体指標、契約、権利、担当工程を対応させます。フォロワー数だけで価格を決めず、制作・運用費や引継ぎ費用も確認します。資料の例はSNS事業の企業価値評価をご覧ください。
匿名打診・NDA・面談
匿名概要で候補先の関心を確認し、NDA後も目的に必要な範囲から開示します。所属者、広告主、個人情報、未公開企画は分けて管理し、既存契約の守秘義務も確認します。匿名でも実績や媒体構成から特定される可能性に配慮します。
条件交渉・基本合意
価格だけでなく、支払条件、引継ぎ期間、代表者・クリエイターの関与、顧客対応を協議します。基本合意では調査範囲、独占交渉期間、日程を整理し、価格等を含めどの条項に法的拘束力を持たせるか確認します。
デューデリジェンス(DD)
帳簿と入金、分析画面、契約原本を照合します。素材・音源・出演の利用条件、広告表示、規約違反や収益化停止の履歴、権限構成、担当者の継続性を確認し、是正事項と価格・実行条件への影響を整理します。
最終契約・実行条件の確定
対象、価格調整、表明保証・補償、支払、引継ぎの責任を定めます。顧客契約の承諾や媒体側の手続、雇用の取扱いを個別に確認します。未完了事項は担当・期限・確認資料を決め、契約締結と実行日を区別します。
決済・権限移行の実行
契約上の実行条件を確認して代金決済と株式・対象資産等の引渡しを行います。サービスごとの公式機能・利用条件に沿って必要な管理権限を設定し、広告配信、収益受取、請求、復旧連絡先が機能するか確認します。
運用引継ぎ・定着確認
投稿予定、案件進行、承認手順、問い合わせ、危機対応を引き継ぎます。顧客・所属者・従業員への説明を合意した順序で行い、最初の請求・入金や成果報告まで照合します。旧担当者の権限を見直す時期も決めます。
「移すもの」を分け、決済前に確認する
| 対象 | 主な確認事項 |
|---|---|
| 会社・顧客契約 | 株式か事業か、契約相手、株主変更・譲渡時の通知や承諾、更新時期。 |
| 媒体・広告 | アカウント種別、所有者・管理者・アクセス権、移行条件、関連資産と決済設定。 |
| 制作物・所属者 | 著作権と利用許諾、素材・出演範囲、所属契約、公開済み投稿を継続利用できる条件。 |
| データ・運用 | 取得・利用目的、開示範囲、担当者、投稿・分析・問い合わせと事故時の対応。 |
YouTubeの所有者変更と、Google広告のアクセス権・MCCの所有者権限は同じ手続ではありません。個別サービスの現行条件を確認します。NDAだけで全データを開示せず、パスワードの共有だけで引継ぎを完了させません。
期間は、資料と承継条件に応じて調整します。
所要期間は買い手との協議、契約の承諾、媒体の手続、担当者の引継ぎにより変わります。売上・利益の概況、主要媒体、契約更新と希望時期を基に、先に確認する事項を決めます。具体的な会社名を出す前の売却相談にも対応します。
売却を決める前の段階から相談できます。
方向性だけ確認したい場合も、社名非公開でご相談ください。